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キャベツは、地中海沿岸の冷涼な気候を好むアブラナ科の野菜です。使い勝手のよい万能野菜であるキャベツは、植え付け後、約3か月で収穫を迎えます。
キャベツの特徴
アブラナ科の野菜は、アブラムシ、アオムシ、ヨトウムシ、コナガなどの害虫の被害が多い野菜ですが、防虫ネットで予防し早期発見・早期駆除をしていきましょう。
連作障害があり、輪作年限は2~3年です。
- 春まきは保温しながら育苗、夏まき・秋まきは涼しく管理して育苗する
- 追肥と土寄せを適期に行い外葉を大きく葉数を多く育てる
- 防虫ネットで害虫を予防し、早期発見・早期駆除する
キャベツの栽培スケジュール
キャベツの栽培スケジュールは次のようになります。


春まき、夏まき、秋まきの年3回栽培が可能です。
ポイント!
春キャベツはトウ立ちしやすい時期なので、春取り用の品種を選んで植え付けましょう。冬の栽培のため、害虫が付きにくいのがメリットです。

キャベツの栽培には、下記のステップがあります。
STEP1 苗づくり

キャベツは、真夏を除き年中育てることの出来る野菜です。それぞれ育苗にかかる期間も違います。夏まきが35日(本葉は5~6枚)、秋・春まきは40~45日(本葉7~8枚)が目安です。
春まきをする場合には、2~3月に種まきをしますので、ヒートマットなどを使って加温しながら育苗します。
STEP2 土づくり

野菜づくりには、土づくりがとても重要です。植え付け前に必ず野菜の種類に応じた土づくりをしておきましょう。
キャベツの栽培に適した酸度は、pHは5.5〜6.5が目安です。有機石灰や苦土石灰を使用して土壌酸度を調整しておきましょう。

土壌酸度の測定の方法はこちら
pH | 投入量 |
---|---|
pH5.0~5.5の時 | 50g/㎡ |
pH5.0未満の時 | 100g/㎡ |
※投入量はあくまで目安です。酸度を計りながら調整してください。
キャベツは、根が地中深くまで伸びる直根性の野菜です。元肥は、肥料分がじっくりと長く効く溝施肥で土づくりをします。

施肥量は、完熟牛糞堆肥3L/㎡、化成肥料100g/㎡が目安です。植え付けの1週間前もしくは当日に施肥します。
キャベツは、土壌中の湿度が高いと根腐れが起きやすくなるため、高畝にして水はけをよくしておきます。




STEP3 植え付け

キャベツの本葉が4~5枚ほどで定植します。株間を30~45cm空けて植え付けます。


株間が狭すぎると日当たりや風通しが悪くなり、湿気がこもり病気や害虫が発生する原因になりますので注意しましょう。逆に株間が広すぎると生育が遅くなり結球も遅れがちで葉が固くなってしまうこともあるようです。
苗の活着を良くするためには、植え付け前に苗自身にしっかり吸水させておきましょう。苗ポットを水に沈めてしっかりと根に水分を吸収させます。

苗を植え付ける際に、植え穴にも如雨露で水をたっぷりと注いでおきます。水が引いたら苗を植え付けます。
苗を植え付けて水やりをしていたのに、枯れてしまったということがあると思います。しっかりと水やりをしていても、実際には土の表面しか水が浸透していない場合が多いです。
植え付け前に、苗自身に水分を吸収させておくことで、枯れることなく根の活動が良くなり活着しやすくなります。
ポイント!
植え付けは、苗が萎れてしまわないように炎天下の日中は避け、夕方など陽射しが柔らぐ時間帯にましょう
STEP4 管理

キャベツは、大きな球を収穫するためには、外葉を大きく、葉数を多く育てることがポイントです。適期に追肥と土寄せを行い、外葉がぼろぼろにならないように大切に育てましょう!
アブラナ科のキャベツは、アオムシ、ヨトウムシ、アブラムシなどの害虫被害を受けやすい野菜です。苗の植え付け直後に防虫ネットを掛けて、被害を防ぐことが大切です。

葉がボロボロになると光合成の効率が落ちるので、十分に球が大きくならないこともあります。生長点が食べられてしまうと、その後の生育に大きく影響するので注意が必要です。
ただし、防虫ネットを掛けたからといって安心はできません。こまめに苗の様子を観察して異常があれば葉の裏や株元を捜索するようにしましょう!

害虫が発生したら、早期発見・早期駆除が被害の拡大を防ぐ重要なポイントです。こまめに観察して割りばしやピンセットを使って駆除していきましょう!
ヨトウムシは、夜間に行動し、日中は土の中にいることが多いです。そのためっこまめに観察していても発見できないことがあります!苗をヨトウムシから守るために城壁を設置して侵入を防ぐことが出来ます。

土の中に潜んでいるヨトウムシなどには、ペットボトルなどで城壁を設置して侵入できないようにすることで、被害が少なくなるケースもあります。
ただし、確実に効果があるかどうかは不明です。また土寄せする時に邪魔になってしまうことも・・・。実際に、春キャベツで実践していますが、追肥で撤去するまでは被害は全くなかったです。
植え付け後から2週間に1回、化成肥料30g/㎡を追肥し、土寄せします。

追肥後は、株元にクワやホーを使って土寄せします。
株元がグラつきやすいので、土寄せをして株を支えましょう。葉を痛めないように土寄せするのがポイントです。葉の上に土がのらないように注意しましょう。

STEP5 収穫

キャベツの栽培は、品種にもよりますが、収穫まで約3か月です。球の上部を手で触ってみて堅く締まっていたら収穫の適期です。外葉を1~2枚つけて、結球部分の株元を包丁などで切り取って収穫します。
ポイント!
取り遅れは裂球のもとになります。適期に収穫しないと球の内部の葉が生長して結球が進みすぎ、球が割れてしまうことがあります。食べられますが、味が悪くなるので、適期になったら速やかに収穫しましょう。

キャベツは、使い勝手の良い万能野菜です。品種も多く真夏を除けば年中栽培することが出来る野菜です。植え付け後、約3か月で収穫を迎えます。栽培はそれほど難しくないので初心者にもおススメです。
ただ、アブラナ科の野菜ですので、アオムシなどが付きやすいので、防虫ネットで害虫対策をして、大きな球を収穫しましょう!